2017年3月5日日曜日

虫で染めました!

今日は、ワークショップ「虫で染める赤いフェルトコースター」の日でした。
プラスチックを作る昆虫、ラックカイガラムシ。
この昆虫は、赤色の染料になる物質も作り出してくれています。
今日のワークショップの主催であるラック研究会の北川美穂さんと、
もう何年も前から「ワークショップができたらいいですね」とお話ししていて、ついに実現して、感激の1日でした。

本日の講師は、染色家の青木正明さん。
ひとりひとりウールからフェルトを作り、
スチックラックの中心の枝を除いた、樹脂成分と昆虫が混ざった部分を粉々にした粉で染めます。

ちなみにこの粉、私も参加者の方とにおいを嗅いでみたのですが(なんか初めてのものってにおいを嗅いでみたくなりますよね)、
すっぱい土…、のようなにおいでした。
もちろん、ラックカイガラムシも粉々になって混じっています。
染めるためには、染料の性質はもちろんのこと、繊維、温度、媒染剤の存在、時間、などが大切であることを、化学的な内容も交えながら説明してくださった青木さん。
楽しい語り口で、老若男女の参加者のみなさんも楽しそうに聞いておられました。
できあがり!
20名の参加者のみなさん全員が、きれいにこんな色に染まりました。
これからご自宅などでこのフェルトコースターを見たときには、
小さな昆虫のこと、染めるということ、プラスチックの化学や歴史、をふと思い出してもらえると嬉しいなと思っています。

本ワークショップは、科研費助成研究「昆虫由来素材「ラック」の文化財及び美術工芸への利用促進のための調査研究」の一貫で行いました。

この虫が作るプラスチック「シェラック」を解説した私の「学芸員の展示場ガイド」はこちらです。
学芸員の展示場ガイド「シェラック」

2017年1月13日「虫で染めるワークショップ参加者募集!」のブログ
 http://takegawayukiko-blog.blogspot.jp/2017/01/blog-post_13.html

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